ある日突然、すべてが変わった。
仕事中に視界がぐらりと揺れた。
次の瞬間、私は床に倒れていた。
救急車を呼ぶ声が遠くで聞こえた。
せわしない足音と、ざわめき。
周りが慌てているのが分かった。
脳出血だった。
その日もがむしゃらに働いていた、
その日も45歳のごく普通の会社の事務所の仕事中 のことだった。
その日以来、
私の左半身は、いうことをきかないばかりか、
そこにあることすら感じられなくなった。
会社のことが頭をよぎった。
- 従業員のこと
- 抱えていた案件のこと
- 家族のこと
でも、どうすることもできなかった。
ただ、大半の時間を、病院のベッドの上で、天井を見上げて過ごしていた。
このまま介護されて一生を終えるのか、そう思った。
積み上げてきたものが全部消えた。
体は動かない。先は見えない。
四十五歳ですべて終わりなのかと思うと、
暗闇の中にひとり投げ出された気がした。
だが、そこまで追い詰められていたのに、私は一度も「死にたい」と思わなかった。
心の奥のどこかで、小さな灯がまだ消えていなかった。
かすかにくすぶっていた、と言ったほうが正確かもしれない。
私が人生の袋小路から、抜け出せたのはなぜなのか。
心がひどく傷ついたとき、人はどうすればいいのか。
今、同じように傷ついている人のために、その答えを送りたい。
もう少しだけ頑張ろう、と思えるような。
行き場のない痛みや苦しみを、和らげるような。
そんな小さな希望を届けられたらいいと思う。
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「人生は壊れても、終わりじゃない」
